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ここはPCゲーム『ザ・シムズ2』の 物語風プレイ日記を公開しているサイトです
05 / 19 Sun 12:26 ×
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02 / 23 Fri 03:15 #御風 ×

今日は、ブライトリバー西区へとやってきた。
西区は古くから、BRの富豪層が暮らす高級住宅地だ。ニューリバーホテ
ルをのぞけば、商業施設はほとんど存在しない。

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それにしても、どこを向いてももアホみたいにでかい家ばっかり。
これに比べたら、あたしとネリーの住むアパートなんて、兎小屋どころか鳥
かごレベルじゃない?
普段はそれでも、不満に感じることなんてないんだけどね…。

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ここは、西区で最初に被害にあった、ペリー邸。
手帳に控えた情報を、もう一度チェックする。
主人の名は、マーク・ペリー。妻(メリッサ・ペリー)と息子(ハリソン・ペリー)
の三人住まい、か。
そういえば、先だってマルコム・ランドグラーブと結婚したのも、確かペリー
家にゆかりの令嬢だったような。
金持ちは金持ち同士ってわけですか。

お、庭師発見。こういう家に通う庭師って、大抵お抱えだよね…。
一応、彼にペリー家のことを聞いてみようかな。

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「もしー」
「はい?」

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「お兄さん、この家にいつも来てるの?」
「あんた、誰だい」
庭師は、若干の疑いのにじんだ目であたしを睨んだ。まあ、自分でもこの界
隈に似つかわしい存在じゃないことは、承知してるけどさ。
「アンジェラ・ダルトン。BRタイムスの記者よ」
記者と聞いて、庭師の態度が軟化した。

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「ここ、放火の被害にあったでしょ?」
「そうそう、そうなんだよな。俺も日頃、通いなれてるトコがニュースに出てさ
もービックリしたの何の」
「ペリーさんって、誰かに恨まれるような感じのとこ、ある?」
「あー?」

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「ないない」
何故か、あははと笑いながら答える庭師。
「全然?」
「俺の知る限りじゃねー。だって、ここの旦那も奥さんもいい人たちだぜ。
ペリーの旦那は、グリルドチーズマニアだってことをのぞけば、金払いも
いいし、うるさいこと言わないし…」
「奥さんは?」
なんとなく、ミニー・ロビンスを思い出しながら、聞いてみた。
「これまた、おっとりして、いい雇い主なんだな。おまけに美人だし。知って
るかい、ここの奥さん、むかしメイドだったんだぜ」
「へー」

グリルドチーズマニアに、元メイドの奥さんか。
なんかちょっと独特な組み合わせではあるけれど、別に犯罪に結びつくような
雰囲気はないないなあ。使用人の評判もいいみたいだし。
ふむ。

・・・
チャイムを鳴らすとすぐに、きれいな奥さんが出てきた。

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「あら、どちらさまでしょう?」
「えーと、実はかくかくしかじか、こういうわけで\…」

…自己紹介も、そろそろ飽きてきたなあ。

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「まあ、それはご苦労様です。どうぞ、中で少しお茶でも飲んで行かれたら」
「あ、んじゃお言葉に甘えて…」
確かに、ペリー夫人は人が良いようだ。
いわゆる、有閑マダムの鷹揚さとは、すこし違うような…慎み深い優しさと
でも言うのかな。

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「ごめんなさい、主人は今、海外主張で家を空けてまして…」
「そうなんですか。そう言えば、ご主人のお仕事は確か流通の会社を…」
「ええ。なかでも食品関係では、そこそこの業績を上げているようですわ。
今回もキプロスまで、わざわざチーズの買い付けに行ってるんです」
キプロス~?どこだ、そりゃ。トルコの辺だっけか?

「グリルドチーズがお好きなんでしたっけ」
「あら、ご存知なんですね」
夫人は、くすっと笑った。ふーん、特に隠してはいないんだ。

が、それ以上突っ込むのもアレなんで、あたしは本題に入ることにした。
「あの、事件のあった日なんですが…」
「まあ、いやだ私ったら。関係のない、おしゃべりばかりしてしまって」

この家のゴミ捨て場に火がつけられた時刻は、夕方16時。
例の如く、目撃者の報告も特にないらしい。

「当日、何か気になったことはありませんか?ホント、何でもいいんです」
「気になること…」

しばしの沈黙の後、ペリー夫人はためらいがちに言葉をつないだ。

「多分、ちっとも関係ないことなんですけれど」
「かまいません、どうぞ」

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「事件の起きた日、主人が帰宅して…すごく元気がなかったんです」
「元気がない?」
「今日はいやなことばかりだなあって」
「…」
「詳しい事は話してくれなかったんですが、その日は現場の視察に行く予定
でしたから、きっとお店で何か問題が起きたんでしょうね」
「なるほど」
しかし放火事件と、事件当日、マーク・ペリー氏に起こった出来事との因果関
係は…あやしいもんじゃないか、と思う。
ま、念のため、メモっとこう。

「ママ!」
背後で甲高い声がした。息子さんとおぼしき子供が、てけてけとペリー夫人
のもとへと駆け寄ってきた。
「どうしたの、ハリー」
「おやつ食べたい」
「はいはい」

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あたしは、そろそろお暇することにした。
この後、寄りたいところもあるし、長居してはお邪魔だろう。
「どうも、今日はありがとうございました」
「いえ、こちらこそ、あまりお役に立てなくて」

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帰りしな、ちょっと思い出して、夫人に話かけた。
「そう言えば、先だってマルコム・ランドグラーブ氏と結婚されたのは、こちら
のお嬢様でしたよね、おめでとうございました」
「あ、ええ…」
ふ、とペリー夫人の顔がくもった。
ん?地雷踏んだか、ひょっとして。

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「ルナさんですね、主人のマークの妹さんに当たる方です。かわいらしい方
ですわ」
「…」

…褒めているわりには、口調が暗いよ、メリッサさん。
やばいな、踏んだよ、絶対踏んじゃったよ地雷。
セレブ夫人と小姑の確執☆なんてフレーズが脳裏にちらりちらり。ひい。

「そうですか、いずれインタビューしてみたいな~なんて思ったもので、それ
じゃ、失礼しま~す」



うーむ。
今日のインタビューに採点つけるとしたら、10点くらいだな。
無関係な話題で、相手を暗くさせてどうするよ、あたし…。

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多分…どんな幸せな境遇にいる人にだって、それなりの苦労はあるんだろな。
図太く生きてるあたしにだって、ないわけじゃない。
それでも、生きていかにゃ、仕方ないからね。

…さて、次なる目的地は、西区でもう一軒被害にあった家。
バークレー邸だ。

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