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ここはPCゲーム『ザ・シムズ2』の 物語風プレイ日記を公開しているサイトです
05 / 19 Sun 11:30 ×
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03 / 19 Mon 05:54 #御風 ×
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『ベルヌイ』を出て、あたしはまっすぐに『ルビークラブ』へと向かった。
ブランドン・リラードに即会えるという確信はないけれど、可能性はゼロじゃ
ない。

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派手な外装…(汗)
情報によれば、このニューハーフバーの経営者は、リラード・ブランドンの愛
人である、ルビー・ターニック。
一体、どんな人物だろう?
マフィアの愛人になるくらいだから、きっと美人なんだろうけど、あたしは今ま
で女装する男性や、男装する女性にはお近づきがないので、少し緊張して
しまう。



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店に入り、用件を告げると、さほど待つこともなく、ルビー本人が現れた。
悩ましげな目をしたブロンドの美女…もとい、美女のように見える、男性か。
リラード・ブランドン、なかなかの面食いとみた。

「お待たせしました。わたしが、ルビーです。何か用事があるとか?」
「ええ、はじめまして。私はアンジェラ・ダルトン。BRタイムスの記者です」
「…記者の、かた」
ルビーは、少し眉根をよせた。

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「もしかして、リラードに、会うためにいらしたんですか?」
「…」
いきなり、逆に質問されてしまった。
「ここが、リラードの店だってご存知だから、来たんでしょう?時々いるんで
す、あなたみたいな人が」
「会えますか、ブランドン氏に?」
「さあ…私の一存では、どうにも。あなたの運次第でしょうね」
そう言って、穏やかに微笑んだ。

…ふむ。

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何だか、ミステリアスな人だ。
一体、何を考えているのか、その笑顔からは読み取るのが難しい。
突然現れたあたしに対して、おそらく警戒はしてるんだろうけど、あまり感情
をむき出しにしないタイプの人間のようだ。



その時、店の扉が開いた。

「あ…」

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お?

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おおっ!?

き、キター!!
間違いない、あれがリラード・ブランドン、ブランドン・ファミリーを率いる、
マフィアのボスだ。

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「変わりないか、ルビー?」
「ええ…」

ルビーは、ちらっとあたしの方を見て、あなたにお客様よ、と告げた。

「俺に、客だって?」

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「あーえっと、ダルトンと言います。BRタイムスの記者です」

するどい目で、睨まれて、あたしは少々気圧されながら身分を名乗った。

「記者が俺に何の用だ?何も話すことはないぜ」
「一連の放火事件について、お話したいことが…今、あなたのファミリーが、
ルシアノファミリーと、放火の件がもとで小競り合いを起こしていますね」
「ああ、そのことか…よく知ってるな」

ブランドンは、どっかとソファに腰を落ち着けて、つまらなそうに言った。
あたしは、言葉を続ける。

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「今まで、私も放火事件について、取材をしてきました」
「…ほう、それで?」
「おそらく、放火犯とルシアノとは、無関係です。知己のある警察官と、昨日
事件について話をしました。その時、相手は私に“三日間、動くな”と規制を
かけてきたんです」

「つまり?」

「つまり、あと二日の間に捜査に動きがあるという事です。おそらく犯人につ
いて何らかの目星を警察の方ではつけているんでしょう。しかし、私がルシ
アノの名を出しても、相手はぴんと来ていない様子でした」

リラード・ブランドンは、うっすらと笑った。
「ルシアノに手を出すのを止めろって言いたいんだな?」
あたしは、頷いた。
「あなたの部下がルシアノと諍いを起こしたことで、警察もあなたがたに目を
つけ始めています。今後、騒ぎが大きくなれば、一般人に被害が出ることも
あるでしょう。ルシアノが放火に無関係ならば、それは無意味な争いです」

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「やれやれ、正義感の強い記者さんだぜ」
「…」
「そんなに、ぺらぺら喋らなくても、ルシアノのモンに直接手出しはしねえよう、
先刻、部下に申し渡してきたところだ」

「え?」

「俺としても余計な騒ぎは、面倒のもとだからな。だから今後、少なくとも往
来で殴りあうような、バカな真似はしなくなるだろう。だが、犯人探しは別だ
こっちは続けさせてもらうぜ」

――――犯人は、俺らで始末させてもらう。

リラード・ブランドンは、静かに、そう宣言した。

「…」

あたしが、どう頭を切り替えていいのか分らず混乱していると、ブランドンは
片手を上げて、もう行けという仕草をした。

「もういいだろう、俺は疲れてる。ここへは仕事の話をしに来たわけじゃねえ
…こいつに会いに来てんだからな」

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そう言って、ブランドンはルビーといちゃつき始めてしまった。まるであたしの
存在など忘れたかのようだ。

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「…」
あーもう、見てらんない。ただの恋人同士のいちゃつきなんか見ても、楽しく
も何ともないっつーの!

…何なの、この展開は。

あたしなりに切迫した思いで、ここへ来たってのに。結局、単なる道化を演じ
たに過ぎなかったみたいじゃん。

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まあ、ブランドン・ファミリーの方で、ルシアノとの争いを自粛してくれるんなら、
何も文句を言うことはない。
後は、警察が上手いこと動いてくれりゃ、ね…。頼むから、犯人をブランドン
ファミリーの手に渡したりなんて、してくれるなよー。

はあ、なんか、疲れた。めっちゃ疲れた。
もう、今日はこのまま家に帰ろう。

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…が、自宅の駐車場に着いた時。
思いがけず、局から携帯に連絡があった。

「は?」



「…は」

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「はーーーっ!?犯人が捕まったあ!?」



こ、こうしちゃいられない、すぐに局へ向かわなくちゃ!!!!


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