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ここはPCゲーム『ザ・シムズ2』の 物語風プレイ日記を公開しているサイトです
05 / 19 Sun 11:30 ×
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04 / 08 Sun 23:49 #御風 ×
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『ベルヌイ』における逮捕劇により、ブライトリバー市を騒がせていた放火犯は
無事保護されたかのように思えた。

…思えたんだけど。

残念ながら、事件はまだ終わっていない。

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現行犯逮捕された、事件の被疑者の名は、コリー・ハウ
驚いた事に、ブライトリバー市立大学に通う、現役大学生だった。

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―――本気で、放火なんてするつもり、なかったんです。

ハウは取調室で、そう供述した。
放火という大罪を犯した人間にしては、思いのほか冷静な態度だったという。
いや、ひょっとすると、自分のした行為の重さを、自覚していなかっただけかもしれ
ない…。

「火事なんて起こすつもり、ありませんでした。ただ、ちょっとゴミに火をつけたくらい
で、大騒ぎしてる世間が面白くて」

「なぜ、店舗を狙った?
『マリポサ』や『ルビークラブ』が、暴力団の関係者が経営する店だと、知っていて
やったのか?」

「…」

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「…だって、どうせ火をつけるんなら、社会のゴミを相手にやった方が、世の中の
ためになるじゃないですか」

「彼らが、ゴミだと?」

「嫌いなんですよ、あいつら。頭の悪い連中が、ただ腕力が強いってだけで大き
な顔をして、威張ってる」

「…」

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「犯行は、君一人でしたことかな?」

「…」

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「…」

「違うよね?」

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「警視、どういうことです?彼には共犯がいるんですか」

「つまり…大学の、花火同好会ってことさ、マーセル」

「?」

「まったく、たいした学問の徒だよ。情けないことだな」

「…」



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結局…コリー・ハウの供述により、更に二名の大学生が、緊急逮捕されるこ
ととなった。
逮捕されたのは、ブライトリバー市立大学の二年生、ウェルドン・クック

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そして、同大学の三年生、イルファン・カールソン

驚いた事に、三人は交友関係にはなかった事が明らかになった。
全てはネット上のやり取りによって、計画され、実行されたことだった。互いに
会って話した事も、ほとんどなかったという。

また、動機も、ひどく下らないものだった。

――――騒ぎの中心に自分がいると思うと、面白かった。

供述書を読んで、僕は背筋がぞわぞわとそそけ立つのを感じた。

彼らは、本当に、自分達のつけた火が大惨事を引き起こさないという、
確信があったのだろうか?


僕には、よく分らない。
彼らの犯行、その仔細を僕は想像することは出来るだろう。
だが、理解はできない。また、したいとも思わない。



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「兄貴」

射撃室で兄の姿を見つけ、僕は声をかけた。

「なんだマイケル。まだ、帰ってなかったのか」
「忙しくてさ…ダルトンとローズの昇進が決まったって?」
「ああ、今回の活躍が認められたんだ」

彼らは、僕と同列の刑事となることが決まったのだ。
逆に、アイザック・ウェルズは釈放された。バージル・パーカーの気落ちは
はたから見ていても気の毒なほどだった。

「アイザック・ウェルズを、家に帰して、本当に良かったのかな?」

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「ああ、どのみち拘留期限が過ぎるところだった」

「でも…」

「供述書を読んだんだな」

僕は頷いた。

「ハウも、クックも、カールソンも、一様に『バーニーズバー』への放火
は否認
してる…」

「そうだ。正確には『バーニーズバー』だけじゃない。コンビニ『ナイト&デ
イ』
、そして書店『ブックマート』での放火も、彼らは否認している」

「…つまり、アイザック・ウェルズの無実は、証明されていないってこと
だろ?」

「…」

「隠さないで、教えてくれよ、兄貴。事件のこと、何かつかんでるんだろ?
だからウェルズをあっさり解放したんだ」

そう、事件はまだ終わっていない―――――だが、ハウたちの逮捕によって
確実に何かが動こうとしている。
今の僕には、そんな予感がしているのだ。

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「ハウの逮捕の決め手となった、掲示板の書き込み、僕も見たよ」
「ああ、FLA…花火連絡協会か」

ハウはネット上で、趣味のサークルを立ち上げ、花火連絡協会(Fireworks
Liaison Association)という団体の会長を名乗っていた。

―――今週末に仕事が片付いたら、久々に花火打ち上げます!

これが、サークルのページの最後に記述されていた、ハウの書き込みだ。
彼はネット上で、自らを社会人のように装っていたが、この「仕事」の意味
するところが大学の「試験」であったことは、供述により明らかになっている。

犯人は、やはり自己顕示欲を併せ持っていた。ダンカーの言ったとおり、
どこかで自分の犯行を匂わせずにはいられなかったのだろう。

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兄貴は、かねてから、FLAの動向に目をつけていたらしい。
ネットにゴマンと存在するページの中から、なぜハウピンポイントで発見する
ことが出来たのか…その辺は、僕にはちょっと説明できない。
おそらく、運も良かったんだろう。

「色々知ってたくせに、僕には何も教えてくれなかったよな」

「悪かったよ。ダンカーと俺とでずっと相談していたんだ…なにしろ、何の確
証もなかった」

とにかく、兄貴はFLAをチェックし始め、やがて彼らが学生ではないかと疑い
を持つようになった。しかし、この時点での疑惑はただの「推測」に過ぎず、
プロバイダに発信者の身元を明らかにさせるための、令状を取り付けること
が出来なかった。

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しかし丁度その頃から、ブランドンファミリーの動きが活発になり、放火犯の
身柄を一刻も早く保護する必要が出てきた。
更に、ブランドンファミリーとルシアノファミリーの仲が急速に険悪化したこと
も、事態の緊急度を高めた一因だった。

もともと、兄貴は今回の放火事件には、複数の犯人が存在すると考えていた
ようだ。しかし、それぞれの行動範囲が混在していたために、犯人をなかなか
特定することができず、捜査は難航していた。

別件の放火犯を捕まえるためにも、ダンカーや兄貴は、何としてでも、FLAを
現行犯逮捕したかったのだ。

そのために、試験の終わった土曜日の午後から、翌日の未明にかけて、フロー
タウンに大捜査網を敷いたというわけだった。

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「…ハウたち以外の犯人の目星、もう付いてるんだろ」

「…」

「また、僕たち捜査員に内緒で、ことを進めるつもりじゃないよな?ポーター刑
事に、また怒られるよ、兄貴」

「む…それはちょっとなあ」

兄貴は、頭をかいた。



そして、後日。
また一人、放火犯が逮捕された。

犯人の名は…



バーナード・ワッツ



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なんと、放火されたバーニーズバーの店主…だった。

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