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ここはPCゲーム『ザ・シムズ2』の 物語風プレイ日記を公開しているサイトです
05 / 19 Sun 09:01 ×
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04 / 15 Sun 13:31 #御風 ×

…『バーニーズバー』の店主、バーナード・ワッツが自店への放火容疑で逮
捕された翌日の晩。
僕は兄のアダムに誘われ、彼の自宅で夕飯を共にすることになった。

「マギー、ただいま~いい子にしてたかい?」
「あ、パパおかえりっ」

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はしゃいだように飛びついたのは、姪っ子のマギーだ。
そう言えば、放火犯逮捕の報道後、マギーの態度が目に見えて良くなった
と兄貴が署で話してたっけ。
父親としての面目躍如というわけで、兄貴としては放火犯逮捕の嬉しい副
産物だったようだ。

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「やあ、マギー。今晩は」
「こんばんは!おじさん、また食べに来たんだー」
「パパが食べに来いって言うからさ」
「へえー?」

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「たまにはデートとかしないの?」
「…はは」

相変わらず、口の減らない子だ。

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「あなた、おかえり!あ、マイケルも来たの?」

義姉さんの声がした。

「義姉さん、今晩は」
「ごめん!仕事が押しちゃって、まだ何も準備してないの、すぐ何か作るから」

やれやれ、義姉さんも相変わらずだな。

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兄貴の嫁さんのオードリーはフリーのイラストレーターだ。
仕事柄、勤務時間に融通はきくものの、仕事の納期等が迫ってくると、たまに
家事がおろそかになってしまう。
まあ、悪いひとじゃないんだけどね。

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バタンッ

「うっしゃ、簡単にパスタにしよっ」

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(あれ?こないだ来た時も、確かパスタだったような…)

「マイケル、なんか言った?」

「…いや、何も。ほんと何も」

「ふうん?ごめんね、お腹空いてるでしょ、すぐ出来るからね」

「MAX期待してます」

実際、腹はすでにぐうと鳴り出している。まさに、空腹は最高の調味料。
オードリーさんの作る大味な料理も、今ならおかわりしてしまいそうだ。
(管理人補足…オードリーの料理スキルは2)

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食卓で、兄たちの大学時代の話に花が咲いた。

「また、あの頃みたいなデートがしたいね」
「あなたのお腹が、大学時代のサイズに戻ったらね」
義姉さんは、それでもまんざらでもなさそうな顔で、微笑んでいる。

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僕も、二人を見ていて微笑ましくなった。
兄貴とオードリーは、仲のよい夫婦だ。オードリーもマギーも、何だかんだと
言って家長であるアダムを信頼しているようだし、兄貴は兄貴で家族を守る
ために精一杯がんばっている。

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…結婚、か。

兄貴のように、大学で好きな人を見つけ、結婚して家庭を持って…以前
は僕も、確かにそんな青写真を心に描いていたものだった。

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あの頃―――十代から大学の半ばにかけて、僕には実際、怖いものなんて
何もなかった。
成績は良かったし、ジェニファーと付き合ってたし、ジェニファーの親父さんに
も、けっこう気に入られてた。まさに人生、順風満帆。

それが、一体いつから、こんな風に変わってしまったんだろう。

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考えるまでもない…ジェニファーを失ってからだ。
あれを境に、僕の中で色んな歯車がかみ合わなくなってしまった。もちろん
彼女のせいじゃないし、アレックスのせいでもない。
少し前に行われた同窓の集まりでも、僕は二人の婚約を心から祝福した。

ただ、僕一人が、まだ何となく立ち直れずいる。それだけだ。


べちょっ!

「!?」

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「あははービックリした?ビックリした?」

義姉さんが、僕にミートソースを投げつけたのだ。

「ちょっ何すんですか!!」

「だって、マイケルったら、しけたツラしちゃってさ!」

「…」

「うちの食卓についたら、しゃきっとしてなさい。あなたも捜査一課の一員で
しょう?放火魔つかまえた捜査一課の刑事さん、自信持ちなさいよ」

「…はい」

どうやら、少なからぬ事情を知る義姉さんなりに、僕のことを慰めてくれたら
しい。(でもだからってソースを投げるのはどうかと思うよ、オードリー…)

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食事が終わると、みんなでダンス。

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穏やかな宵のひとときだ。

…でも、義姉さんが仕事に、マギーが就寝のために部屋に戻ると、兄貴の
態度は少し変わった。

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「…」

「ゴミ捨て場が心配?」

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「ああ、ブライトリバー東西区の放火魔は、まだ捕まっていないからな」
「…ワッツは、ブライトリバーでの放火は否認したからね」
「まあ、想定内ではあったが…」

兄貴は、溜め息をついた。



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