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ここはPCゲーム『ザ・シムズ2』の 物語風プレイ日記を公開しているサイトです
05 / 19 Sun 08:34 ×
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05 / 02 Wed 23:54 #御風 ×

レナード・ブラックとの取っ組み合いに負けて以来、僕には心に思うことが
あった。そう…はっきり言って、僕は

…ケンカに弱い。(ずーん)

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認めたくはないが、あのケンカは僕の完敗だった。
怒りにまかせてレナードに挑んだはいいけれど、結局、一方的にぶちのめさ
れて、クラスみんなの前で大恥をかいてしまった。
キレてパワーアップするなんて、格闘漫画の主人公でもない限り、現実には
あり得ないんだな、やっぱ。

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でも…あの敗北のあとで、ハニー・ジャクソンが何故か僕を追ってきてくれた。

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あれ本当に、何でなんだろう。未だに謎でしょうがない。
確かに僕とハニーは、小学校の時は仲が良かった。でも高校に進学して以
来、もうずっと喋ることもなくなっていた…あれかな、ボロ負けした僕に同情し
てくれたってことかな。

けれど、惨めさと痛みで頭がいっぱいだった僕は、あの時、彼女にあまり良
い態度をとれなかったと思う。
保健室に行こうという申し出も断ってしまった。
だって、どんな顔で治療を受ければいいんだか…泣いても笑っても、惨めさ
に変わりはないじゃないか。


とにかく、あのひどい敗北以来、僕が悶々と考えていたのは、ただ一点。

“強くなりたい”

これだった。

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幸い、アイザックの容疑は無事に晴れ、先日からまた普段どおりに登校し
てくるようになった。

「なんか色々と、迷惑かけたらしいな。ごめんなー」

他のヤツから事情を聞いたらしいアイザックは、少し気まずそうに僕に言った。

「いや、僕が勝手にキレたんだ。いつかは、ああなるって何となく思ってたし」

「そりゃそうだけどさ…」

アイザックは、僕が負けたことについては、とうとう一度も口にしなかった。
でも、口にしなければ、敗北の事実が消えるかっていうと、そうでもないん
だよな。



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だから僕は、コレを機会に決意したのだ。
本気で、身体を鍛える。
レナードに負けぬくらい、強くなってみせる…!

さて、そんなわけで。
僕はいま、『マーティン・プロボクシングジム』というボクシングジムの前に
いる。

タウンページで適当に見繕っただけで、何のリサーチもせずに来たんだけど
…な、なんか思ったより、静かだな。
静かと言うか、ほとんど人気がない。こういうところって、汗だくのボクサー達
がせわしなくスパーやシャドウボクシングをしているイメージがあったんだけど
なあ。

そもそも、開業してるのか、ここ?

「ごめんください」

恐る恐る、足を踏み入れると…


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「何の用だ、ぼうず!」

「わっ」

…うわ、怖そうな爺さんが一人。ひょっとして、これがトレーナーなのか。
この人しかいないの?まじで?

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「あの、実は僕…ボクシングに興味があって」

「興味だあ~~~~?興味?いいか、ボウズ」

なんか、家に帰りたくなってきた。

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「ここは、ガキの遊び場じゃねえぞ?」

「…いや、ですから、ボクシングを習いたくてですね…」

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「はっは、お前さんみたいなひよっこが、ボクシングを習おうってのか!野球くらい
しかした事がないんじゃないか?え?」

「はあ」

うーん、何だか遠まわしに、入門を拒否されてるって感じだ。
まあ気に入られなくて、運が良かった。早く家に帰って、別のジムを探そう。
こんな怖そうなところ、冗談じゃない。

「よし、決まりだ。トレーニングウェアを貸してやる、とっと着替えろ

「はい、分りまし…って、ええ?


えー?




「いいか、わしがまず手本を見せてやる!」

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「ソイヤアッ」

バスーン!!


おおっ、すごい!年寄りなのに、すごい迫力のパンチだ。
よーし、じゃあ僕も…

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かまえて…

「こら、何しとんだ、ボウズ」

「はい?」

「ど素人に、いきなりサンドバッグ打たせると思うか、アホウ。
いいか、まずは基礎からだ。みっちり仕込んでやるからな、覚悟しとけよ!」

「…」

「いや~久々の入門生じゃ、腕が鳴るわい!」




ズンチャ♪



ズンチャ♪




ズンチャ♪




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「ほれほれ!膝がさがっとるぞ!真剣にやらんかっ!」

「…ひいはあひい」

「たらたらするな!30分追加するぞ、この根性なし!」



とりあえず今の僕には、勝利どころか、サンドバッグへの道すら遠い、らしい。



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