穏やかな夜です。
ブラック家の面々は、今晩はみな出払っており、レックス坊ちゃんだけがベビー
ベッドですやすやと安らかな寝息をたてております。
…レナード坊ちゃんは、首尾よく事を終えることが出来たでしょうか?
坊ちゃんのことですから、きっとソツなくおやんなさるとは思いますが、なに
ぶん側付きで見守ってきた身としては、どうも我が事のように不安になって
しまうわけで…
…大丈夫ですかねえ…
…いやいや、まさか。いや、そんな。
ぶつぶつ…
「スカイラー!!」
「うひょ!?」
「ぼ、坊ちゃん!どうしたんです、こんなに早く!?ブランドンの店に行ったん
じゃあ?!」
なんと!わしの不安が的中してしまったのでしょうか。まさか坊ちゃんに
限って、その場で怖気づいてドタキャンなんてことはしまいと信じていたの
ですが…
「お前に、聞きたいことがある」
「わ、わしにですか?」
そんなこと聞かれたって、たいして有益な助言も出来ませんよ、わしは…
そういうコトは、やはりブランドンあたりに任せた方が
「先代のジョニー・ブラックの死について、知っていることを全て俺に
話すんだ」
「・・・・・・・!」
「だ、誰から、そんな事を吹き込まれたんで!?」
「質問しているのは俺だ、いいから答えろ」
「答えろ、スカイラー!!何故、ジョニー・ブラックは死ん
だんだ!?」
「・・・・・・っ」
「どうした、何で黙る。親父に直接聞いた方がいいってことか?」
「それは…」
「これまで、わざと黙ってたんだな」
「…」
「親父が殺したんだろう、ジョニーを…実の兄を!」
「ぼ、坊ちゃん…」
「どうして、俺に隠した!!」
「それは…」
…
…
「それは…俺の、母が・・・・・・・・・・・・・原因、だったから?」
「…」
ああ
そこまで、知ってしまわれましたか・・・
レナード様
…
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