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ここはPCゲーム『ザ・シムズ2』の 物語風プレイ日記を公開しているサイトです
05 / 19 Sun 08:34 ×
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10 / 15 Sun 14:15 #御風 ×
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わたしの住んでいる街、ブライトリバーは、川を挟んだ西と東で身分の差がある
らしい。よく分からないけど、西区に暮らすわたしのことを、人は時々、お嬢様と
呼ぶ。

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お嬢様という言葉につきまとうイメージが、わたしには少し迷惑だ。
わたしの父親、アンドリュー・ホールデンは、大きな会社を経営する社長さん。
それだけでなく、ブライトリバーでもかなり古い家柄の出身ということで、この
街ではちょっとした有名人なんだそうだ。

ふーん…としか言えない。
実感が、湧かないから。お父さんが社長なのも事実、ホールデン家の家柄が
古いことも多分本当だろう。
でも、それが何故わたしの評価に影響するんだろう?
お父さんにもお母さんにも言えないけれど、本当はわたし、そのことがとても
気持ち悪い…。

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今日は憂鬱な日だ。せっかくの日曜日なのに、顔も知らないお客さんに会わ
なくちゃいけない。お客さんの名前はエレーヌ・ランドグラーブ。
大地主ランドグラーブ家の、現当主の、妹さん、らしい。
「大事なお客様だから、きちんとしたご挨拶をするのよ」
お母さんはそう言っていたけど…

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この人がエレーヌさん…。
冷たい目をした人、というのは、わたしの勝手な先入観だよね、きっと。
「これが、次女のジェシカです。長女と長男はあいにく出ておりまして…」
「ジェシカさん、わたくしはエレーヌです。よろしく」
抑揚のない声。わたしはすっかり、動揺してしまった。
知らない人に会うと、いつもこうなのだ。動悸がして、耳がほてって、目の前が
真っ白になる…。

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とりあえず、ランドグラーブについて、知っている事を話題にしてみた。
「友達から、聞きました…ランドグラーブはとても古い家なんですよね」
「ええ、その通りです。それに、わたくしの母方もランドグラーブの遠い親戚で、
ランドグラーブと同じだけ古い家柄です」
エレーヌさんが、得意そうに鼻をつんと突き上げた。
「それじゃ、やっぱり幽霊とか、見たことあるんでしょうか」
「は?」
「幽霊です。ご先祖様の幽霊を、ご覧になったことありますか」

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「な、何ですって、失礼ね」
お母さんがぴしっと固まったのを、背中で感じた。
駄目だった。幽霊は社交的にNGワードだったみたいだ。
「ランドグラーブの人間は、全てブライトリバー聖堂のランドグラーブ家の地所で
復活の日まで静かに眠っています!」
「ごめんなさい、あの、幽霊がいたら楽しいと思ったんです」
だって、自分のご先祖さまを見たら、自分を取り巻くこの不思議な環境が、少し
は具体性を帯びるのじゃないかと、わたしはそう思ったのだ。

でもわたしの話術は、結局エレーヌさんを怒らせただけだった。
恐る恐る、後ろを振り向く。お母さんが小さく首を振って、もう部屋に行きなさいと、
うながすのが見えた。


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