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ここはPCゲーム『ザ・シムズ2』の 物語風プレイ日記を公開しているサイトです
05 / 19 Sun 09:41 ×
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10 / 22 Sun 10:53 #御風 ×

俺があの男を嫌っているのと同様に、ガイの方でも俺を嫌っている。
嫌っているというか、恐れているんだろう。俺が時折、ヤツに向かって威嚇
しても、まるで反撃してはこない。
所詮、顔がいいだけの臆病者なのだ。

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いずれ母の気持が冷めれば、この男は無一文のまま放り出されるはずだ。
その時はせいぜい、嘲笑してやるとしよう。

と、思っていたが…ある日、耳にした兄・デヴィッドの言葉に俺は思わず慄
然とした。

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「ガイ、そろそろ母さんと結婚したらどうだい」

ちょ、おま、なんだってーッ!??

け、結婚だと!?
馬鹿な、絶対にあり得ない!そんなことは!

「結婚ねえ」
「だって今のままじゃ、悪い言い方だけど、一種のヒモみたいじゃないか。
世間体だってあんまり良くないしさ


ダメだ、俺にはデヴィッドのアホさ下限の底が見えない。
孤児院暮らしの貧困から、お前は何を学んできたんだ。
母の遺産を、わざわざ好き好んで赤の他人に譲ろうっていうのか?

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その後。
ガイがいない時を見計らって、居間で俺はデヴィッドを問いただした。

「お前、本気で母様とあいつの結婚許すつもりなのか?」

しかし、デヴィッドは溜め息をついて、逆に俺を諭すように言った。

「俺はただ、応援してるんだよ、母さんたちのこと」
「それが、理解できない」
「キッド、君はどうしてガイを認めてやらないんだ?」
「あんないかにも財産目当ての、にやけ男の、どこを好きになれって?」

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「あんたは、元貧乏人同志で話が合うんだろうが、俺は違う」
「やめてくれよ、そんな言い方は」

言いながら、腹がむかむかとしてきた。
何でこいつは、ガイの味方をするんだ!俺の兄なのに、母を奪ったあの男に
気を許すなんて…

「あいつは俺から母を奪った。そのうちに家財産まで奪う気でいる、それなのに
黙っていられるか!」
デヴィッドは、ため息をついて、腰をあげた。
「君はまだ、十代だからな。考え方が過激なのも、仕方ない」
そう言って、彼は居間を出て行った…。

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デヴィッドには、分かっていない。

あいつには一家の主人たる者の気概がないから、家を守るというのがどんな
ことか、実感できないのだ。
サロモンの財産を守るのは、それを得る俺様の義務なのだ。蜜の多いりんご
には、這いよる虫も多い。果樹園の主がまずやるべきは、害虫の駆除をする
事だ…

なんて事を考えていたら、ひぎゃー!!!!
暖炉の火が絨毯に燃え移ったああああ!

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お、俺の、俺様の屋敷が燃えてしまう!!

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幸い、この後すぐに消防士がかけつけて、ぼやは小規模で消し止められたが
…俺は苦い教訓を学ぶことになった。
暖炉の火をくべるときには、あまり絨毯を近づけてはいけないのだ。

消防士にも、くどくど言われた。
「煙で窒息して、火にまかれる前に亡くなるケースもあるんですから、暖炉を使用
するときは気をつけて下さいよ!特に絨毯はやばい、絶対やばいから」
「分かった」
「ブライトリバーでもねえ、暖炉の前で死ぬ人、結構多いんですよ。クレープ・シュ
ゼットの火事で死ぬ確率より高いんですから、ホント、まじ気をつけてね」

その時、ふと…あるひらめきが、俺の頭の中でスパークした。

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害虫駆除…か。

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俺はポケットをさぐり、100シムオリオンほどの札束をつかみ出した。
「消防士さん、これ少ないけど」
「いいんですかキッドさん、あなたは最高です!!」
目をむいて飛び上がった消防士に、俺はにやりと笑って見せた。

「いや…いい事を教えてもらった、ほんのお礼さ」


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