アタシ、エリザベス・ホッジス。あだ名はリズとか、リジーとか色々。
趣味は雑誌の美容記事を読むことと、テレビのワイドショーを見ること。
自分で言うのもなんだけど、色白の肌と巨乳が自慢☆
あ、でもアタシ、こう見えてもまだ彼氏はいないのよねえ。だって周りにいる男
たちは殆ど子供っぽいっていうか~このリズの魅力があんまり分からないみた
いなんだもん。まったく、信じられる?
でも実はここだけの話…気になるクラスメイトがいるのv
それが、彼。キッド・バークレーv
彼、大人になったら、すっごい遺産を相続するんだって!つまり未来の大富
豪ってわけ。ステキよね~将来の有望株だもの。
これはも~注目しなきゃ嘘でしょってカンジv
ところで、昨晩キッド様の家が放火されたんだって。
アタシのキッド様の家に火をつけるなんて、ホント許せない!
アタシは、とっておきの甘い声で、隣りの席にいるキッド様に話しかけた。
「キッド様~ニュースで見たんですけどー、火事大変でしたネ!」
「…あ、ああ」
なんか、今こころなしか、キッド様の肩がびくっと怯えたように震えたような…
リズの眼の錯覚かな?
「でも、キッド様に何ともなくって良かったあ、リズ安心☆」
「別に…単なるゴミ捨て場のぼやだ、家に燃え移ったわけでもないし」
キッド様はそう言って、ふいっと横を向いちゃった。
彼って、いつもこんなクールな態度取って見せるの。
多分、リズの顔を間近で見つめて、ドキドキしちゃってるんじゃないかなぁ。
うふふ、キッド様も男の子なんだもんネ☆
「リズ、また鏡見てんのか。好きだなー」
子供の頃からの取り巻きの一人、アイザックが話しかけてきた。
「当たり前でしょ~?美少女は、いついかなる時も気を抜いちゃいけないの」
「は?びしょうじょ?」
アイザックが、間抜けな声で聞き返した。
アタシ、ため息をつく。
「可愛い女の子って意味よ、それくらい分かるでしょ?あんたってホントに昔
から語彙が貧弱なんだから」
「あははは、ホントリズも昔から全然変わんないよな~」
なに、けらけら笑ってんだか。
な~んか、こいつとは昔から会話がかみ合わないのよね…。気はいいんだけ
ど、可哀想に、ちょっと頭が足りないみたい。
放課後。
キッド様の姿を探して学校中を歩き回って…ようやくみぃーつけたっvvv
教室にいないと思ったら、食堂にいたのね!
…と思ったら、何!?
なんで、なんでリナ・ポーターなんかと親しげに喋ってるの!?
アタシのキッド様なれなれしくするなんて、許さないんだから!
「…と、そんなわけで父サロモンはブライトリバーに屋敷を買って、この土地に
落ち着いたというわけだ」
「は~なるほど、それがお母様と出会う数年前のことなのね」
「そう、父が母と出会ったのは…」
なに喋ってるのよ、こいつら!
「ちょっと、そこ座りたいんだけど、どいてくれるかしら!?」
「え?」
とぼけた顔しちゃって、むかつく女!さてはリナもキッド様を狙ってるのね。
「早くどいていただける?」
ところが、リナ・ポーターは反撃してきた。
「リズ悪いけど、今キッドにインタビュー中なの。席なら他にもいっぱい空いて
るでしょ?」
「な、なんですって」
むかつく女!
何よ、インタビューって!ジャーナリスト志望だか何だか知らないけど、彼に
父親の話をさせて、ポイントを稼ごうって魂胆なんでしょ。お見通しよ!
「立ちなさいって、言ってんでしょうっらあああ」
「ひえええ?」
腕をつかんで、引きずり上げたら、さすがに立ち上がった。
「ちょっと何なの?すぐに終わるんだから、少しくらい待ってよ」
「今座りたいっつってんのに、あんたがすぐに立たないからでしょ!」
「先に座ってたのは、あたしでしょ!?」
「うるさいっこれでもくらえっ」
「きゃー!」
頭から水をかぶせられたリナは、何か色々と叫びながら、トイレの方向へと
走り去って行った。ぷぷっいい気味!
背後でキッド様が「ひいいい…っ」と変な声を出してたけど、気にしない気に
しない♪
「キッド様、ごめんなさい、見苦しいところ見せちゃって!」
「・・・・・・・・・あ、いや、あの」
うふっ照れてるのかな、キッド様ったら声が震えてる。
「キッド様、なれなれしい女は嫌いでしょ?ああいう図々しい女は、これから
リズが全部追い払ってあげるね」
「図々しい女って…」
「さっきのリナみたいな女のこと☆」
「・・・・」
キッド様ったら、感激のあまり、子犬のようにプルプル震えてるv
何だか可愛~いv
シャイなキッド様が、アタシに告白してくれるのは、一体いつの日かしらv
例え相思相愛でも、やっぱり男の子から打ち明けて欲しいのが乙女心って
もの。
それまでに、ファーストキスの練習しておかなくっちゃ!
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