僕の名前は、エディー・ニューマン。BRハイスクールに通う十代だ。
僕の目下の関心は、可愛いカノジョをつくること☆
初恋は小学校の時の担任の先生だったけど、やっぱり十代になったら同級
生からカノジョを選びたいかな~なんて思ってる。
父さんから聞いた話だけど、なんでも僕の祖父はすごいプレイボーイだった
らしい。その血を受け継いでいるせいか、僕は女の子が大好きだ。
だって女の子たちって、皆それぞれ個性があって可愛いもんね。
色んな子と楽しく付き合ってみたいって思うのは、イケナイことなのかな?
今、僕が目をつけてるのは、この子。ハニー・ジャクソン。いつも女友達と一
緒にいるから、あまり話したことはないんだけどね。
顔も可愛いし、何よりも、きれいな金髪に惹かれたんだ。
窓から差し込む光に、あの髪がさらさら~って透けてるのを見て、うわ~あの
髪に触ってみたいなあ、なんて思ってドキドキしちゃったわけだ。
「ねえねえ、今週の日曜日、時間ある?よかったら付き合ってくれないかな」
「え?日曜日?」
いきなり話しかけたから、ちょっとびっくりしてるみたいだ。
見開いた眼は、とてもきれいなブルーだ。
うーん、やっぱり可愛いな。
「どうして?」
「うん、実は姉ちゃんの友達が今度、ケーキ屋さんを開いたらしいんだけどさ、
女の子のお客さんに沢山来てもらいたいんだって」
宣伝頼まれちゃってさ~と笑いながら言うと、ハニーはちょっぴり笑った。
「ケーキ、きらい?」
「ケーキは好きだけど…」
「じゃ、行こう!美味しい店だって聞いたし、きっと楽しめると思うよ」
ハニーはしばらく考えた後、にこっと笑って言った。
「あ、じゃあリナとジェシカも一緒に行っていい?」
がくっ。なんでそうなるんだよー。
実は、ここだけの話。ジェシカ・ホールデンには、以前ちょっと声をかけたこと
があるんだ。もともと家が近所で、子供の頃から顔見知りだったしね。
でも軽い感じで口説いてみたら、情けないことに速攻で拒否られた。
あれは、さすがにちょっとショックだったな…。
どうもジェシカは、対人恐怖症のケがあるらしい。嫌がられるというよりも、むし
ろ怯えてるってカンジだったし。
彼女、あんな風で将来カレシできるのかな?
ハニーの友達の一人、リナ・ポーターも、実は僕ちょっと苦手だ。
成績優秀な、しっかり者。先生にも信頼されてる。
魅力的だとは思うんだけど、しっかりし過ぎてて、何だか僕のことすっかり
見透かされそうな気がするっていうか…。
実は彼女、僕の兄ちゃんの奥さんのアビーに似てるんだよね。決して嫌い
じゃないんだけど…うっかりとは近寄れない存在。
二人とも眼鏡をかけてるから、余計にそう思うのかな?
結局、ハニーとのデートにこぎつけることは出来なかった。
うーん、まだ、あんまり男の子と遊びたいってカンジじゃないのかな。
でもうかうかしてると、他の男に持っていかれそうで不安だよ~。
ガターンッ
「殺す、てめー今日はまじで殺す!!!」
「やってみろ、ブス女め!!」
うわーなになに?
どうやら、またキッドとバービーが取っ組み合いを始めたらしい。
がったん、ばったん!
うわー痛そう。僕はケンカは痛そうで、見てられないたちだ。
それにしても、女の子であるバービーがキッドと互角どころか、実はキッドより
も強いんだから驚くよね。
「死ね×××野郎!」
「ふぎゅお!は、はらへ、ほろおうおくほんは!」
…多分いま、キッドは「離せ暴力女」って言ったんだろうな。
口げんかですら、バービーに勝ってないよ、キッド…。バービーはどこであん
な放送禁止用語を仕入れてくるんだろうなあ。
どさっ
「ざまあみやがれ、××××男」
「ち、畜生…女だと思って手加減してやれば、いい気になって」
「はん、床の上でほざいてればいいわ」
ああ、勝っちゃった。ホントに強いんだなあ。
…なんてことをぼんやり考えていたら、バービーがいきなり、こちらをじろっと
睨んで言った。
「ちょっと、あんた何こっち見てるのよ、なんか文句あるわけ?」
「え?僕?」
うわ、まずいな。ケンカの後で気がたってるみたいだし、あまり刺激しない方
がいいんだろうなあ。
「えっとね、強い女の子ってステキだな~と思って、見ほれてた」
「…!」
反応がない。
あれ、ひょっとして怒ったのかな?
ほめられて怒る女の子ってあんまりいないと思ってたんだけど。
僕が内心焦っていたら、バービーは
「…何よ、気持ち悪い」
そう言って、ぷいっと横を向いてしまった。
その横顔が、ちょっぴり赤いみたいだ。ウン、やっぱり悪い気はしてないみ
たい。それにしても、照れてる女の子って、なかなか可愛いもんだね。
「ねえ、日曜日ひま?」
「は?何でよ?」
「うん、実は僕の姉ちゃんの友達がさ…」
あー何ていうんだろう、こういうのってやっぱりノリが大事だと思うんだ。ハニー
も可愛いけど、バービーも悪くない。
なんといっても僕、早くカノジョが欲しいお年頃なんです。
「…いいよ、日曜日の何時にする?」
「じゃ、10時に家に迎えに行くねー♪」
えへへ、やったね。デートのお誘い成功だ。
フロータウンに、新しい服を買いにいこうかなあ~♪
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