忍者ブログ
ここはPCゲーム『ザ・シムズ2』の 物語風プレイ日記を公開しているサイトです
05 / 19 Sun 12:21 ×
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

01 / 14 Sun 19:13 #御風 ×

snapshot_8ff0354a_32b5e38a.jpg
わしの名は、スカイラー。
ここ、フロータウン一帯で勢力を誇る、ブラックファミリーの補佐役をつとめとり
ます。下の者からは、NO.2なんて呼ばれたりもしますが、なに、言ってみりゃ
ただ他より長く生き残っちまっただけの、しがない老いぼれでさあ。
社会的には、ブラック系列の会社で役員の肩書きを頂いておりやす。形ばか
りの職ですがね…。

snapshot_8ff0354a_d2b5e5df.jpg

この方が、わしのお仕えしているファミリーの首領、レイ・ブラック様。
先々代に拾われて、以来この方がわしの三人目の主です。
初めてお会いした時は、まだほんの小さな子供だったのに…今じゃ、こんな
に立派なボスになられました。いやはや、
時の流れを感じますわい。

snapshot_8ff0354a_12b5e51e.jpg

「ボス、お疲れじゃないですか、肩おもみしましょう」
「あ?ああ、すまんな」
老人が年若い者の方をもむ構図は、奇妙でしょうかね?
しかし、年齢こそ下ですが、ボスの心労はわしなんぞとは比べ物にならぬ
ほど大きいのです。表向きにはBR屈指の実業家の顔を持ちながら、裏で
は組織を一手にまとめてなさる。
そんなボスのストレスや疲労を、少しでも軽減して差し上げるのが、このス
カイラーの役目と心得とります。

snapshot_8ff0354a_b2b5e59a.jpg

「ところでスカイラー、レナードは最近どうだ」

「ほ?」
レナード様が、いかがされましたかね。
普段、ほとんどお子様達のことを話題に乗せないボスが、いきなりレナード
様のことを言い出したので、わしはちょっとばかり驚きました。

「これと言って、問題はありませんですよ。少しばかり夜遊びはしますが、
年相応の範囲です。遊び方もきれいなもんです」

cac87535.jpg

監督役を任されていた、わしの手腕を自慢するわけじゃありやせんが、坊
ちゃんは実際、なかなかしっかり育ってらっしゃると思うんですよ。
幾らか短気で傲慢な一面もあるが、道理が分らぬほどの馬鹿でもない。
人の上に立つには、ある程度の押しの強さが必要だが、坊ちゃんにはその
気概があるんです。少なくとも、わしはそう思います。

「実はな…あれもそろそろ将来について、考え始める頃だろう。大学には当
然行かせるが、その前に俺の仕事について、徐々に教えていこうかと考えて
いるんだが、どうかな」

snapshot_8ff0354a_32b5e499.jpg
「そりゃあ、よろしいことですなあ!」
「ああ、それでアレの教育係を決めようと思う」

教育係?

snapshot_8ff0354a_52b5e4c1.jpg

「ボス、正直に申しまして、わしはシノギについちゃあ、現役とは言いがたい
です。ム所でのハウツーなら別ですが…」
「お前に頼むとは言ってない。お前には、今まで通りアレの監督役として頑
張ってもらうつもりだ」
あ、左様でございますか、こりゃ失敬。

ふむ。
教育係の候補は…やはり、あの二人ですかな。

snapshot_526ceed0_7299ec98.jpg

BRの賭場の元締め、リッキー・ルシアノ。

snapshot_9299d74c_7299e407.jpg

飲食&風俗店経営のリラード・ブランドン。二人の勢力は、共に互角です。


snapshot_8ff0354a_d2b5e5df.jpg


「それじゃ、例の二人のうち、どちらかを…?」
「うむ。しかしな、ブランドンとリッキーは仲が悪い」
「はあ」
「まだレナードは未熟だ。今の時期、あの二人の均衡を崩したくない」
「かと言って、まさかギブスの野郎に任せるわけには、いきますまい」

snapshot_8ff0354a_b2727c9a.jpg

「あれに任せるのだけは、わしは反対ですぜ、ボス」
「そうだな。俺はレナードを、リッキーとブランドンの両方に任せようと思う」

両方に…ですか。

「幸い、やつらの得意分野はきっぱり分かれているからな。とりあえずレナー
ドに女遊びでも教えてやることだ。大学に入ってから、変な女にのぼせられて
も困るからな」
「はあ」
ボスは、坊ちゃんの結婚相手を、ご自分で探されるおつもりのようです。
しかし坊ちゃんは、果たしてそれで納得するんでしょうかね…。
ちょっぴり、心配ですわい。
わしがこれまで見守ってきた、ブラック一家の男たちは、どうも揃って女難の
相が出ているようですから…。

snapshot_8ff0354a_32b5e623.jpg


「じゃあ、さっそくブランドンに話をつけましょう」
「ああ。今日はリッキーの店に行く予定がある。あいつには、その時に俺から
話しておこう」

コツ、コツ、コツ…

「あなた、お出かけになるんじゃありませんでした?」

snapshot_8ff0354a_f2b5e648.jpg


おや、ユージェニー奥様です。
「髪型を変えたのか?よく似合っているよ」
「まあ、ありがとう、あなた」
嬉しそうに微笑む奥様と、それを愛情に満ちた目で見守るボスの姿は、ま
るで一幅の絵画のように微笑ましい光景です。

snapshot_8ff0354a_d2b5e657.jpg

いやはや、ユージェニー奥様は、いつまで経ってもお美しい。
ボスが一目で心奪われたと言う話も、納得ができます。




ボスには口が裂けても言えませんが、正直わしの胸中は複雑です。
もし、この方がこれほど美しくなければ。
もし、あの頃、わしが刑務所の塀の中におらず、レイ様やジョニー様のお
そばに付いていたら。
いや、そもそも、もしこの方がブラック家に現れなければ。

おそらく今頃…先代のジョニー様はまだ生きていらしたことでしょう。

ぷるるる

「あ、ブランドンかね。わしだよ、スカイラーだ…」


snapshot_8ff0354a_72b5ea8e.jpg


…すべては済んでしまったこと。
今のわしはただ、ボスとなったレイ様に忠誠をこめてお仕えするのみ。
ただどうか、なにとぞ、墓の下で眠るジョニー様の魂の安からんことを…。



>>NEXT   >>MENU   >>BACK

PR
NAME
TITLE
MAIL
URL
VOICE
EMOJI / FONT COLOR
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS
TRACKBACK URL :
 
"御風" WROTE ALL ARTICLES.
PRODUCED BY SHINOBI.JP @ SAMURAI FACTORY INC.