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ここはPCゲーム『ザ・シムズ2』の 物語風プレイ日記を公開しているサイトです
05 / 19 Sun 10:57 ×
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01 / 27 Sat 01:29 #御風 ×

今日は、俺にとって待ちに待った嬉しい日だった。
つまり…給料日ってこと!
日頃、横暴な店長のバーナードに、いいようにこき使われているのも、全て
はこの給料ってやつを、もらうためだ。
ところで、バーナードバーじゃ、給料は全て手渡しなんだ。
今時、口座振込みじゃないなんて、と初めは思ったけど、封筒にキャッシュ
でもらうってのも、案外悪くないんだぜ。とにかく、金は金だもんな。
さあ、俺の汗の結晶を頂こうか、バーナードさんよ!

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と・こ・ろ・が。

ところがだ、店長に給料の事を言うなり、裏口に連れて行かれたんだ。

「え、払えない?…って、どういうことですかソレ?」
「事情があってな、悪いが給料はちょっと待ってくれ」

おいおいおい。そんな話があるかよ!

「どうして、理由は?」
「だぁから、言ってんだろうが、事情があるんだよ!払えねえって言ってる
わけじゃないだろう、少し待てって言ってるんだよ!」
「だから、その事情って!?」

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「店長、俺には、今日給料をもらう権利があるはずですよ!出来ないっていう
なら、その事情をきちんと教えてもらわないと、納得できません!」
俺が思わず強い口調でつめ寄ると、それがバーナードを刺激したらしい。
逆に、物凄い勢いで、怒鳴り返された。

「なにが権利だ、お前勘違いしてんじゃねえか!?ああっ!?」
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「いいか、金を払うのは、俺なんだよ!お前がこの店で働けるのはどうして
か?俺が雇ってやったからだろうが!お前が働きたいっていうから、わざわ
ざウェイターにしてやったんだ」
「…」
「満足な仕事も出来ねえくせして、金を欲しがる時だけは一人前みてえなツラ
して『権利』なんぞとぬかしやがる。お前みたいな若造が俺は一番、我慢なら
ねえんだ!大体な!」

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「こっちは、お前みたいなガキをわざわざ雇う理由なんざ、これっぽっちも
えんだよ。フリーターなんぞ、その辺にゴマンといるんだ。それを俺としちゃ情
け心でもって、まだハイスクールも出てないような、未熟なガキのお前に店で
社会勉強させてやって
るんだ、こっちがお前の親から指導料の一つでも貰い
たいくらいだぜ」

バーナードは、ぺっと地面にツバをはいた。

「辞めたいなら、とっとと辞めるんだな。その代わり、こっちに迷惑かけて勝
手に辞めていくんだからな、給料はビタ一文払わねえぞ


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「そんな、馬鹿な!!」

俺があまりの理不尽さに目を白黒させていると、バーナードは
「とにかく、この話は後だ。とっとと仕事始めろ、このウスノロ」
そう言い捨てて、店の中へと入って行ってしまった。

し…信じらんねええええー!!
払って当然の給料、勝手な都合で先延ばしにしといて、逆ギレかよ!?
しかも、辞めたら給料払わないだって?
この一ヶ月間、俺がどんなにヘトヘトになって、働いたと思ってるんだ。

なにが
なにが社会勉強だ。
なにが指導料だ。
こ…こめかみのあたりの血管が、二、三本ぶっち切れそうだ…。



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しかし、仕事をしろと言われると、さぼれないのが俺の悲しい性(さが)。
仕方ない、午後はランチ時ほどの盛況はないが、それでも客は途切れな
い。客をほっとくわけにも行かないし…

あー・・・・・・・・燃やしてーこの店。

「ホットドッグと、ダイエットコーラ」
「飲み物は、セルフサービスになってます」
「あら~、やだジャッキー間違えちゃった。そうだったわね、失礼~」

そう言って、ウフフ♪としなを作る、この客…。
胸らしきモンは一応あるけど、声が明らかに男だ。
この近くに、『ルビークラブ』っていう、ニューハーフの店があるから、多分ソ
コに勤めてる人だろう。最近のフロータウンじゃ、別にそう珍しい存在でも
ない。しっかし、この胸、どうやってんだろうなあー。ぜい肉の寄せ集めって
感じでもないし…うーん、不思議だ。
それにしても、相手が男だと分ってるのに、つい胸の谷間に目がいっちまう
俺ってどうなの。



ん?

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あれは…同級生のハニー・ジャクソンじゃないか。

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「いらっしゃいませ~」
「あれ?アイザック?」
ハニーは俺に気が付いてなかったみたいで、ビックリしたような顔をしている。
「へへ、奇遇じゃん」

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聞けば、学校が終わった後、リナ・ポーター、ジェシカ・ホールデンらと一緒に、
フロータウンへ買い物に来ていたのだという。
「でも、書店に立ち寄ったら、リナが足に根っこ生えたみたいに動かなくなっちゃ
って…結局、そこで解散しちゃったんだ」
「ふーん」
リナとジェシカか。いわゆる、仲良し三人組ってわけだ。

…そう言えば、この間、ジェシカのピアノをたまたま聴いたんだっけ。

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あの日は、予定に入れてたバイトがたまたま店の都合でなくなって、気分的には
腐ってたんだよな。
そうしたら、放課後の音楽教室から、きれいな音と調べが流れてきて…

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驚いたよなあ。あんな音を、俺と同い年の人間が奏でてるんだぜ。
何て表現したらいいんだろう…そう、何だかまるで

―――――魔法、みたいだった。



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このバイト、辞めよう。

今日…店の片づけをしながら、そう決意した。
俺が今まで、この店を辞めなかったのは、雇い主と上手くいかないからって
それで仕事を放り出すような、半端な真似をしたくなかったからだ。
けど、もう限界だ。
バーナードは俺が考えうる限りじゃ、最悪の雇い主だ。
人を人とも思わない、ドけち野郎。あんな男とこれ以上、関わりあっていたら
絶対に後悔するはめになる。

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…問題は、これまで働いた分の、給料だ。
バーナードは、ビタ一文払わないなんて抜かしやがったが、そんな非道が許
されていいはずがない。
俺はアイツから、本来受け取るべき報酬を全額もらうまで、絶対に引き下がら
ないぞ。たとえ、1シムオリオンだってまけるもんか。




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